2017/03

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グラムグナッシュを軸に置いたストーリー。
1−1から彼の行動はクルツワードに関与している。
最終的な決着も同じく。

・彼は基本的には極めて平凡な青年であり、他の人員ほど特異なバックグラウンドを持っていない。田舎で育った彼は幼いころ、昆虫の採集が好きだった。少年としてごく普通の趣味であるため、両親は気にも留めなかったし、本人も何も違和感は感じていなかった。ただし、彼はコレクションとして昆虫を収集していたのではなく、主に解体することを好んでいた。

・その趣味はハイスクールに上がると一旦影をひそめる。
長引く戦火のおかげで兵と医者が足りず、ハイスクールの授業内容も次第にそちらへ傾いてゆく。特に体格がいいわけでも敏捷なわけでもなかった彼は、兵役についたところで犬死にの未来が見えていたので、この時点で既に人生を諦めかけていた。

・ただその時、生物の解剖実験にて彼の手先が大変器用であることを見抜いた生物教師は彼に医務の道を勧める。切羽詰まった時勢的に、当時の軍医には学歴よりも即戦力が必要であり、訓練さえ積めば試験をパスするのは難しいことではなかった。グラムグナッシュはハイスクールを卒業してからも数年間、生物教師の元に下宿して外科医の専門学校へ通い、夜は教師から生物の構造について学んだ。
学校については国からの奨学金が出ていたし、授業にも特に問題はなかった。そんな折戦局は一時凍結され、ちょうど医専を卒業した彼に一時的に時間ができた。教師は知り合いの闇整形医に口をきき、グラムグナッシュに助手としての経験を積むように言った。

・実際数年間その仕事をこなしたのち国から戒厳令が発され、闇業者の取締りがにわかに厳しくなる。見つかれば機材や人員が全て徴発されることを知った闇外科医は、仕方なく別の商売へ移ることになる。まだ医師免許を持っていなかったグラムグナッシュは路頭に迷う羽目になり、一時的に実家へ帰って自営業の手伝いをしていた。

・そんな折、新聞に戦局の再開を暗示するべく大量の人員募集が掲載される。なかでも特務部隊の軍医枠に免許が無くても技術によって採用されるポストがあった。そのまま実家にいてもいずれ徴兵されるであろう彼は、一念発起というわけでもないが、本来の目的であった軍医へのチャンスを逃さず応募。

・ところが、全体としては数多の志望者がいたにも関わらず特務部隊への志望は彼一人だった。試験も杜撰で甘いものであり、彼は騙されたような気分になる。あながち、それは間違いでもなかった。特務部隊とはすなわち、悪名高いフリークスラウンジであった。彼がそれに気づいたのは試験をパスして本格的に雇用され始めてからである。

・間違えてしまったものは仕方なく、世間体などを基本的に気にしない性格の彼は諦めて黙々と仕事を勤めた。態度の良い彼は次第に周囲と打ち解け、フリークスらと一般兵の微妙な緩衝材となっていく。キルチェ、飛龍などと交友関係を持ち始めたころ、一人のフリークスと出会う。それはフリークスラウンジ中もっとも危険とされる、殺人狂クルツワードだった。

・グラムグナッシュがクルツワードを初めて見た時、偶然クルツワードは追手であるブラウニーキラーの一味を嬲り殺していた。自らがその光景に対し欲情を覚えていることに気づいた彼は愕然とし、足早に逃げ帰る。自らに嫌悪を覚えながらも彼はその日から、幼い日の感覚に思いを馳せる。異常である自覚を受け入れられず日々を悶々と過ごしていた彼はある日、クルツワードに再びコンタクトを持つことになる。誰の目から見ても異常であるクルツワードは、自らの正しさを信じて疑わない。迷うグラムグナッシュにクルツワードは微笑みかけた。君の世界を生きればいい、ここにはそういう連中しかいないと。クルツワードの狂気の正気を見てとったグラムグナッシュは、その側で生きることを決め、たとえそれが迷惑であってもいつかクルツワードを救い出したいと願うようになる。


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